帯状疱疹後の神経痛
帯状疱疹後に起きる神経痛について
帯状疱疹は神経に沿った発疹とそれに伴う痛みが現れます。
疲労や加齢、ストレス等による免疫低下によって発症すると考えられています。
そして、後遺症の一つとして帯状疱疹後神経痛が生じることがあります。
通常、肋骨に沿った体幹部分に発症することが一般的ですが、顔面や手足にも発生することもよくあります。
特に顔面においては、三叉神経の領域で痛みや発疹が発生することがあります。
三叉神経は眼神経、上顎神経、下顎神経から構成され、その支配領域は以下の図に示されています。
「帯状疱疹後神経痛にはこれ」という施術はありません。
帯状疱疹は免疫の問題で起こると考えられているので、体液の循環を改善することがポイントだと考えています。
帯状疱疹後に、顔面に神経痛の症状が出た方のお話です。
顔の右側、目の周りから耳の方まで皮疹が出ていて、それに沿った部分から後頭部にかけて、夜も眠れないほどの強い痛みが出ていました。
症例
60代 女性 1ヶ月前に帯状疱疹と診断され病院での投薬にて治療
主訴
顔面から後頭部にかけての痛み
目の開けづらさ
所見
三叉神経の支配領域に沿った発疹 特に眼神経 上顎神経の領域に目立つ
皮疹を直接触っての痛み有り
歩行時に右側へのふらつき
1回目
頭を触らせてもらうと、触っている時の感覚が左側と右側に違いがあります。
あくまでも主観ですが、触っていて右側だけゾワゾワする感じ。
まるで、虫がモゾモゾと動いているような、触っていたくないような違和感がすごくありました。
まずは、自律神経への対処として、脊柱、骨盤の調整を行います。
それから、横隔膜と内臓の調整。最後に頭蓋骨。
頭蓋骨を調整している時のゾワゾワ感は相変わらず感じたのですが、バランスを取って広がりを待っていると落ち着いてきました。受けていてどんな感じかを聞くと、「頭がスッキリしてる。触られて嫌な感じが減っている。」と
施術後は、頭が軽くなったという感想と皮疹を触った時の痛みと違和感が減ったとのこと。
歩く時の右側へのふらつきはだいぶ解消され、歩行スピードも速くなりました。
2回目(1週間後)
歩行時のふらつきは大きく改善。歩くスピードも前回以上に速くなっていました。
顔面から後頭部にかけての痛みは、痛みの出る場所が変化。
後頭部の痛みは消えて目の周りから右前頭部にかけての痛みが残る。
今回も脊柱と骨盤の調整から。
触った時の頭蓋のザワザワ感も殆どなくなっていて、少し違和感が残る程度。
頭蓋調整を行っていると、側頭骨に動きの悪さを感じます。
三叉神経の上顎神経、下顎神経とも蝶形骨を通過しますが、三叉神経節は側頭骨に存在します。
三叉神経節は側頭骨錐体先端に存在し,その前面には三叉神経圧痕があり,内側部は海綿静脈洞を隔てて内頸動脈に隣接します。
この海綿静脈洞の上には鞍隔膜という膜があり、これと小脳テントという膜はとても大事なところで、全ての膜がここから放射されていくと言われています。
全身の調整を行いつつ、頭蓋骨から繋がる膜の調整を行いました。
その後も週1回のペースで5回ほど通院してもらうことで、眠れないほどの頭痛は改善されました。
今回行った自律神経の調整を中心とした整体についてはこちらをご覧ください。
→自律神経整体について
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